当店のフラッグシップピアノである1875年頃に製造されたNYスタインウェイstyle4(全長266cm。当時のフルコン)が、約1年半のリビルトを終えて、当店に戻ってきました。
徳島アミコからの船出で、できることなら同じ場所に戻してあげたかったのですが…。
様々な工夫が施され、特にピン板は大幅に補強。ピッチはA440に上げてもビクともしません。
かつては、A440の張力に耐えられず、ピン板だけでなく、棚板さえも反っていました。
そんな状態でショパンのピアノ協奏曲第1番(室内楽版)を演奏いただいた1周年コンサートが、懐かしくも申し訳なかったです。
スタインウェイの重要な特許の1つでもあるカポダストロバーへの進化を遂げる、現行のモデルが完成する一歩前の総アグラフ仕様。
演奏に耐えうる個体となると世界でも数台です。日本では最も古いスタインウェイのフルコンと言って過言でないかもしれません。
サウンドボードは30年ほど前に、NYのスタインウェイ工場でリプレースされた形跡があり、いたって健全でクラックも皆無なのは奇跡的。
アクション調整は2ヵ月以上に渡り日本一と謳われるマイスターの工房で完璧に施され、打弦点は見事なまでにスイートポイントを掴んでいます。
どこのコンサートホールに並んでいても決して引けを取らず、プロのピアニストの厳しい要求にも十分に寄り添ってくれます。
当店のキャッチコピー「~古き良きものを弾き継ぐ~再生持続可能な音色の温もりを」。唯一無二の音色を当店でご体感くださいませ。


